和えるということ

株式会社 和える 代表取締役矢島 里佳さん

伝統産業の新しいカタチ。
それは、古き良き日本の伝統に、
現代を生きる私たちの感性を
「和える」こと。
矢島さんの生み出す
子ども向け伝統産業品は、
自然との関わり方や
私たちのこれからの暮らしについて、
確かなヒントを
教えてくれるかもしれません。

● プロフィール

日本の伝統を次世代につなぎたいという思いから大学時代に<株式会社 和える>を設立。職人の伝統技術を生かした、乳幼児と子ども向けの日用品を企画から販売まで手がけるほか、伝統産業の活性化をめざして講習会や各種メディアなどで幅広く活躍中。

心のやすらぎを与えてくれた伝統産業品との出逢い 心のやすらぎを与えてくれた伝統産業品との出逢い

 矢島さんと伝統産業との出逢いは、茶道と華道を学ぶことができる茶華道部に所属した中学時代にさかのぼります。茶室という空間に感じる心のやすらぎが日本の伝統美によるものだと気づき、深い興味を抱くようになったそうです。
 伝統産業品に触れると、なぜ、やすらぎを感じるのかとお聞きすると、「何となくです」と矢島さん。
 不意をつかれて私が少し戸惑っていることを察し、ほほ笑みながら「明確には答えられないけれど、目に見えない力がそこにあるんです」。そして、少し考えるように、「伝統産業品は、自然の恵みを享受しています。人間にとって自然はとても身近なもので、先人は自然のお世話をし、恵みをいただきながら共存してきましたが、いつからか、恵みをいただくだけになってしまいました。それが環境問題などにつながっていると思います」と話してくれました。
 自然のなかにあるものに着目し、その大切さや意味を伝えるための活動を行っている矢島さんの原点はここにあるようです。

文化を絶やさない気持ちを行動に

文化を絶やさない気持ちを行動に

 20歳のとき、伝統産業の若手の職人さんを紹介するという企画を持ち込み、記事の連載を通じて日本全国の職人さんたちの価値観に触れた矢島さん。さまざまな技術を目のあたりにし、伝統産業品の魅力を再認識しながらも、ふとした疑問を持つようになったそうです。
 「これほど魅力的なものに、なぜ今まで自分は出逢わなかったのだろう」。日本で生まれ育ったにもかかわらず、自分の国のこと、文化や伝統を知らない世代が今、大人になっているこの現実。幼い頃からそういうものを知る機会や環境を創ることが、伝統産業が輝きを取り戻すために重要なことなのではないかと思ったそうです。
 柔らかな物腰の矢島さんが熱く語る様子から、伝統産業への想いを感じずにはいられません。こうして、自身が大切にしているものが失われることがないよう、多くの方に知ってもらいたいという気持ちが、会社設立のきっかけになったのです。

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